新築住宅のシロアリ対策は義務？

新築住宅における防蟻処理は、建築基準法施行令第49条により「木造建築の地面から1メートル以内の部分に有効な防腐措置を講ずること、必要に応じてシロアリなどの虫による害を防ぐための措置を講じること」と記載されており、必要に応じて講じなければならないと定められていることがわかります。

これは、シロアリが生息している地域では実質的な義務付けを意味すると捉えられます。

新築住宅を建築する際はハウスメーカーや工務店が防蟻処理を実施するため、一般的には基本的なシロアリ対策が施された状態で新居を手に入れることができます。
引き渡し時に使用薬剤や施工範囲、防蟻処理の内容が明記された保証書をもらえるので、大切に保管しておきましょう。

参照：『シロアリQ&A』（日本しろあり対策協会）

防蟻薬剤の効果の持続期間

新築時に施される防蟻薬剤の効果は一般的に約5年間とされており、薬剤の効果が低下してくるとシロアリ発生のリスクが徐々に高まってます。

新築時の防蟻処理には保証が付いていて、防蟻薬剤の効果である5年間が保証期間として設定されているのが一般的です。保証期間が切れる前に新築時の住宅メーカーから案内が届くケースもありますが、築年数の浅い住宅向けのシロアリ対策プランを用意しているシロアリ駆除の専門業者もあるので、ほかの専門業者に切り替えを検討してみるのもよいでしょう。

また、5年という期間はあくまで目安として考え、実際の状況に応じて適切な対応を取ることが重要です。
住宅の立地や環境、建物の構造や換気状態によっても薬剤の持続期間は変わるため、個別の状況に合わせた判断が求められます。

防蟻薬剤の効果が切れる前にすべきこと

防蟻薬剤の効果が切れてしまってから対策をするのではなく、効果が薄れてくる前に状態を確認することが大切です。

まずは、専門業者による定期点検を受けましょう。
専門業者による点検では、床下や土台部分の状態、木材の劣化具合、シロアリの通り道である蟻道の有無などをチェックして、被害の兆候がないかを確認します。新築時の防蟻処理の保証期間中は、施工業者による無料点検を実施してもらえる場合もあるので、保証書の内容を確認してみてください。

シロアリ被害が確認されなかった場合でも、入居後4～5年経過したら再防蟻処理を検討する時期です。早めに再処理の見積もりを取るなど、計画的にメンテナンスを進めましょう。

また、専門業者による点検では、シロアリ予防につながる環境づくりのアドバイスをもらえることがあります。防蟻薬剤の効果が弱まってくるタイミングで専門業者による点検を受け、家の状態の確認と必要に応じた再防蟻処理、シロアリの侵入を防ぐための環境づくりの見直しを行うことで、効果的なシロアリ対策につなげられるでしょう。

新築時の防蟻処理の保証期間を把握しておく

入居後は新築時に施された防蟻処理の保証期間と内容を正確に把握しておき、適切なメンテナンス計画のために役立てましょう。

保証内容は業者によって異なり、保証期間中は無料点検や再施工を受けられるケースもあるので、住宅メーカーや施工業者から渡される書類で、施工日や使用した薬剤の種類、保証期間を確認してみてください。
もし「書類が見つからない」「施工内容がわからない」という場合は、住宅メーカーの担当者に問い合わせれば確認することができます。

シロアリが侵入しにくい環境づくりを心がける

入居後は、シロアリが侵入しにくい環境を維持することが予防策として効果的です。
シロアリは湿気が多く、エサとなる木材や紙類がある場所に集まります。そのため、日常生活のなかでシロアリにとって住みやすい環境をつくらないことが予防のポイントです。

まず意識したいのは、シロアリのエサとなるものを放置しないことです。
木材だけでなく、段ボールや古い雑誌などを玄関や物置、庭先などに長期間置きっぱなしにしないようにしましょう。

また、住まいの湿気対策も大切です。
排水管のトラブルや水漏れが起こると、床下などに湿気がこもり、シロアリが活動しやすい環境になります。水回りはトラブルが起きやすい場所なので、日頃から水染みはないか、配管に異常はないかを確認する習慣をつけておくのがおすすめです。

さらに、床下の通気性にも注意が必要です。
床下の通気口は内部の湿気を逃すための重要な構造です。通気口の前に荷物や植木鉢などを置いてしまうと湿気がこもりやすくなります。通気口の周辺は常に風が通る状態を保ちましょう。

ほかにも、家の周りの風通しをよくして日当たりを確保する、庭の植栽は適度に剪定して空気の流れを作る、雨樋は定期的な清掃して雨水が溢れないようにするなどの工夫を取り入れるのがおすすめです。こうした日々の工夫により、シロアリが侵入しにくい環境を保てます。

専門業者の定期点検を受ける

入居後のシロアリ対策において、専門業者による定期点検は重要な予防措置の一つです。シロアリは床下など目に見えにくい場所で活動するため、専門的な知識と経験を持つ専門業者による定期点検を受けておくことで早い段階で異変に気づきやすくなり、被害の拡大を防げます。

また、新築時の段階から専門業者にシロアリ対策を依頼しておくことにもメリットがあります。
建築時から関わっている専門業者であれば、どの薬剤を使用したか、どの部分にどのような施工を行ったか、住まいの構造上で弱点になりやすい箇所はどこかといった、建物に関する情報を把握したうえで効果的な対策を立ててくれるでしょう。

信頼できる業者選びも、大切なポイントです。相見積もりで費用を比較することも大切ですが、対応が丁寧かどうか、調査内容や施工方法についてわかりやすく説明してくれるか、自社施工を行っていて保証やアフターフォロー体制が充実しているかを確認しましょう。
住まいを守るパートナーとして「この人に任せたい」と思える担当者がいる業者を選ぶことが大切です。

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