ホーム > サービス > シロアリ駆除 > プロに学ぶ!シロアリ対策 > シロアリ駆除!自分ではできないスゴ技!プロの実例と作業内容を解説!
シロアリ駆除!
自分ではできないスゴ技!
プロの実例と作業内容を解説!

シロアリは建物に深刻な被害を与える恐れがあり、見つけたときには既に土台や柱が大きく侵食されているケースもあります。ヤマトシロアリやイエシロアリなどの種類によって侵入経路や被害箇所が異なるため、正確に対処するには専門的な知識が必要です。
そこで本記事では、プロが実際に行うシロアリ駆除の工程を詳しく解説します。木部処理・土壌処理といった基本処理のほか、施工作業後に気をつけるポイントもまとめていますので、シロアリ被害の防止や適切な駆除にぜひお役立てください。
プロが解説!
シロアリ駆除の基本処理
シロアリ駆除を行なうには、適切な手順と知識が必要です。
被害状況や建物の構造を調査するところから始まり、どの種類のシロアリが発生しているのか、どの部位が特に侵食されているのか、どこに巣があるのかを把握し、最適な駆除方法を選択します。
プロの駆除業者は木部や土壌など部位ごとに使う薬剤や処理手法を変えながら、作業します。床下だけでなく、壁の内部や天井裏など、侵入経路と加害範囲を見極めながら、必要な箇所に対策を施します。
さらに安全面に配慮しながら作業することも大切です。使用する薬剤についても、住人の安全を考慮して低臭性かつ人体やペットに配慮した薬剤が選ばれることが一般的です。周辺環境への影響が低い点も薬剤を選定するポイントです。
シロアリ駆除の基本処理【木部処理編】
シロアリは木材をエサとするため、木部への処理が効果的です。
木部処理は、内部に潜んでいるシロアリを駆除すると同時に、再侵入を防ぐための予防効果も期待できます。シロアリは木材の内側から食害する傾向があるため、木材内部まで薬剤を行き渡らせることが重要です。

木材内部の食痕
プロの業者の薬剤処理は木材の表面だけでなく、内部に浸透させたり、食害で空洞になっている部分に充填します。
【第1段階:穿孔(せんこう)注入、木栓処理】
最初に木材に小さな穴をあけ、そこから薬剤を直接注入することで、木材内部までしっかりと駆除成分を行き渡らせます。この工程は、表面処理だけでは届かないシロアリの除去、予防するために有効です。薬剤を注入した後は、木栓を打ち込んで穴を塞ぎます。
1、束柱や被害箇所にドリルで穴を開けます。

2、開けた穴にノズルを使用して木部処理剤を注入します。

3、薬剤を注入した穴に木栓を打ち込みます。

【第2段階:吹き付け処理】
穿孔注入処理後、薬剤を木材の表面にも吹き付けます。木部表面を覆うことで、シロアリの再侵入を防ぎます。
吹き付け処理は、シロアリが侵入しやすい箇所や重要な部材などに施し、ひび割れや木材のつなぎ目など、見落としやすい箇所にも薬剤が浸透するように丁寧に処理を行ないます。

床下部材への吹き付け処理
プロが実践している木部処理のポイント
事前に家屋の構造を正確に調べることが、木部処理の効果を左右する大きなポイントです。どの木材や部位がシロアリの侵入口となっているかを把握し、適切な箇所に薬剤を注入します。
実際にシロアリが発生している被害箇所やシロアリが発生しやすい構造をしている浴室、玄関周辺などは特に入念に処理をします。通常の穿孔注入、木栓処理ではなく「千鳥穿孔」と呼ばれる方法で、細かく薬剤処理をします。

また、木材に水で希釈した薬剤を使うと、腐れの原因になるのでは?と心配になりますが、木部処理に使用する薬剤には「防腐成分」も含まれていますので安心です。
さらに、薬剤はシロアリの習性や被害状態によって選び分けることが重要です。飛散性や持続性、臭いなどを考慮して、安全かつ高い駆除効果を発揮する薬剤を使用します。
シロアリ駆除の基本処理【土壌処理編】
床下の土壌部分から侵入するシロアリをブロックするための方法を解説します。
シロアリは土の中を移動し、床下側から侵入してくるのが一般的です。床下の土壌はシロアリが最も侵入しやすい場所の一つで、ヤマトシロアリやイエシロアリなどは、地面から蟻道を伸ばして木部にアプローチし、徐々に被害を拡げていきます。
土壌処理は、薬剤を散布することで床下にバリアを形成し、シロアリが家屋内部に侵入しにくい環境を作ります。

床下地面への薬剤散布
この処理を行うことで、土壌に滞在しているシロアリはもちろん、新たに侵入してくるシロアリもブロックするため、薬剤が効いている期間中は被害を予防できます。
プロが実践している土壌処理のポイント
土壌処理では、薬剤を1階部分の床下全体に行き渡らせます。多量の薬剤を散布するため、専門業者は散布用の専用機器を使用します。
また、散布する箇所にもポイントがあります。
シロアリは土台下の基礎や束柱下の束石から蟻道を立ち上げて侵入してくるケースが多く、基礎回りや束石回りを重点的に散布します。
その他、状況に応じて散布する箇所や薬剤の種類を選択して土壌処理を行ない、効果的にシロアリの侵入を防ぎます。
液剤が使用できないケース
池や井戸など周辺環境の事情によっては、液剤の使用が好ましくない場合があります。地下水を汚染するリスクを避けるため、状況に応じて流出リスクの低い粒剤やベイト剤を使う方法が選択されることもあります。

シロアリ用の粒剤
ベイト剤を使用するベイト工法はシロアリが好むエサに毒成分を混ぜたものを設置し、コロニーごと駆除を狙う手法です。環境に対する影響は少ない一方で、効果が現れるまでに時間を要するケースもあるため、現場の状況や必要性に応じて選択されます。
いずれの場合でも、安全と効果を両立することが重要です。プロはリスクを考慮しながら、家屋や周辺環境に最適な手段を講じるよう注意深く施工方法を検討します。
シロアリ駆除後の
注意点
シロアリ駆除が終わった後も、再発を防止するために気をつけなければならないことがあります。
シロアリ駆除後には、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。薬剤の効果は年数が経つと徐々に減少するため、数年に一度の再施工やを行うことで継続的に再発リスクを抑えられます。

床下の点検
また、雨漏りや水回りの不具合を放置すると、木材の腐食や湿度の上昇によりシロアリが好む環境を作り出してしまったり、薬剤効果を低下させてしまう恐れもあります。駆除後もおうちの定期的なチェックを行い、建物が常に良好な状態を保てるようにしましょう。
まとめ
シロアリは、家の土台や柱など重要な部分を侵食して建物の寿命を縮めてしまう非常に厄介な害虫です。初期段階での発見や対策が遅れる放置され続けると被害が拡大し、修復コストが高額になる可能性があります。
プロが行うシロアリ駆除は、木部処理、土壌処理といった方法を用いて実施します。事前調査や薬剤選定、施工技術まできめ細かく対応できる点が大きな強みです。
駆除後にも定期点検や環境管理を怠らないようにすることで、再発リスクを抑え、家を長く健康な状態に保つことができるでしょう。
シロアリ被害が疑われる際は、早めに専門家へ相談し、適切な対策を実施することをおすすめします。