古民家の断熱に床下断熱リフォームがおすすめ｜ぬくもりある暮らしを

2025/12/11

古民家では、冬の底冷えに悩む人が少なくありません。
暖房をつけても部屋全体が暖まりにくいのは、古い家屋には断熱材が使われていないことも多いためです。
とくに床下からの冷気は、冬場の住み心地を大きく左右します。そこでおすすめなのが床下断熱リフォームです。
この記事では、古民家の魅力や寒い原因、床下断熱リフォームのメリットや注意点、費用の目安までわかりやすく紹介します。

古民家とは｜その定義

「古民家」といっても、明確な定義があるわけではありません。
歴史ある建築物ばかりを指すわけではなく、築年数や構造、建築様式によって幅広く使われる言葉です。
もちろん文化財になるような建物も古民家に含まれますが、この記事では一般的に各地に残る築30〜50年以上の木造住宅を想定しています。
古民家は、太い梁や柱、床に無垢材が使われていることも多く、年月を経るごとに味わいが増していくのが特徴です。
一方で、建築当時には断熱材がほとんど使われていなかったため、現代の住宅に比べると寒さへの備えが弱いといった課題もあります。
つまり古民家の「味わい」と引き換えに、「寒さ」がついて回るのが古民家での暮らしにおける実情といえるでしょう。

古民家の魅力

古民家の魅力は、昔ながらのぬくもりを感じられることです。
現代の住宅に比べてゆったりとした間取りや、和室の落ち着いた雰囲気は、時を経た住まいならではの味わいがあります。
太い梁や柱、無垢材の床や建具は、経年の深みを増し、新築住宅にはない風情が魅力です。
また新築よりも購入費用を抑えられるケースも多く、浮いた予算でのリノベーションによって、自分好みの住まいに作り変えられます。

古民家をリノベーションして住むメリットとデメリット

古民家をリノベーションすることで得られるメリットは、暮らしやすさが向上することです。
水回りを一新し、断熱工事や耐震補強を組み合わせれば、快適性と安全性が高まります。
一方で、デメリットも確認しておきましょう。
築年数が長い家は基礎や柱に傷みがある場合も多く、工事中に追加補修が必要になり費用がふくらむケースも少なくありません。
また断熱性が低いため、十分な寒さ対策をしなければ「暖房をつけても寒い」という不満が残ってしまうこともあるでしょう。

古民家が寒い原因

ここからは、古民家が寒いおもな原因を見ていきましょう。

古民家には断熱材がない家が多い

昭和54年（1979年）以前に建てられた住宅の多くは、断熱材が入っていないか、入っていても現在の基準から見ると断熱性能は不十分です。
古民家が建てられた当時は、断熱の概念自体が一般的ではなく、現代のような高断熱・高気密の考え方はありませんでした。
そのため、床下や壁、天井のいずれにも断熱材が施工されていないケースがほとんどです。断熱材がないということは、冬は室内の熱が逃げ、夏は外の熱気が侵入しやすい状態といえます。

床や窓から冷気が伝わってくる

木造住宅では、床と窓、壁、天井もしくは屋根が大きな熱の出入り口です。
とくに床下については、冬は断熱材がない床だと、地面の冷たさが直接足に伝わってきます。
また、古い木製サッシや単層ガラスの窓からも、室内の熱が逃げていき、外の冷気が入ってくる状態です。

すき間風が入ってくる

古民家は木造建築のため、経年により木材が収縮し、建具との間にすき間が生じてしまうことがあります。
また、欄間や障子、ふすまといった伝統的な建具は、もともと気密性が低い構造です。
このすき間から冷たい外気が入り込み、せっかく暖めた室内の空気は逃げてしまいます。
気密性の低さは暖房効率を低下させる原因となり、「暖房をつけても部屋が暖まりにくい」といった問題につながるのです。

古民家に床下断熱リフォームがおすすめの理由

古民家の寒さ対策にはさまざまな方法がありますが、ここでおすすめしたいのが床下断熱リフォームです。
ここからはなぜ床下断熱リフォームがおすすめなのか、その理由を紹介します。

家の中を壊さずに断熱工事ができる

床下断熱リフォームの大きなメリットは、室内の床板を壊す必要がないことです。
床下空間にもぐって断熱材を設置するため、床材をそのまま残せます。
とくに古民家の場合、年月を重ねた木材の風合いなど、歴史ある内装をそのままいかしたい方も多いでしょう。
床下断熱リフォームであれば、こうした古民家ならではの良さを損なうことなく、断熱性能を向上させられます。

比較的簡単な工事で断熱効果を上げられる

床下断熱リフォームは、断熱工事の中でも比較的シンプルな工法です。
床下空間に断熱材を施工するだけで、断熱効果が得られます。
工事期間も短く、一般的な住宅なら1～3日程度で工事は完了です。
生活への影響が少ないだけでなく、人件費も抑えられるため、費用面でもメリットがあります。
信頼できる業者へ依頼すれば、工事の質も安定し確実な効果が期待できるでしょう。

底冷えが解消され快適に暮らせるようになる

築年数の経過した木造住宅特有の「足元から冷える」底冷え問題は、床下断熱リフォームで改善されます。
畳の部屋や、素足で過ごす時間が多い空間では、とくに効果を実感しやすいでしょう。
さらに、床面の温度が冷たくないことで、体感温度も上がります。
暖房をつけても足元だけ寒いという問題が軽減され、エアコンやヒーターの効きもよくなるはずです。

光熱費が削減できる

床下断熱リフォームによって熱の損失が減ると、暖房効率が上がり、光熱費の削減につながります。
断熱材がない状態では、床下から冷気が上がってきたり、室内の熱が床下へ逃げてしまいますが、床下断熱を施工することでこれを抑制することができます。
エアコンの設定温度を低めにしても暖かさを保てるようにもなるため、電気代やガス代の節約が期待できます。

床下断熱リフォームの費用相場と工期

床下断熱リフォームを検討する際、気になるのが「いくらかかるのか」「どれくらいの期間が必要なのか」ではないでしょうか。
一般的な費用相場は、1㎡あたり約4,000〜8,000円程度です。
※2025年10月時点でのインターネット等の公開情報をもとにしております

そのため延床30坪（約100㎡）の住宅であれば、40〜80万円前後になるケースが多いでしょう。
床下断熱リフォームの費用は、使用する断熱材や施工方法によって変わります。グラスウールや発泡ウレタンなど、選ぶ素材によって金額に幅が出るのが特徴です。
一度業者へ見積もりを依頼してみるといいでしょう。
工期は1〜3日程度と比較的短く、床下点検口から入って床下側から施工するため、住みながらの工事ができます。

断熱リフォームにかかる費用については、こちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

古民家の床下断熱リフォームで注意すべきポイント

床下断熱リフォームを成功させるには、古民家特有の注意点を理解しておくことが重要です。
ここからは、工事を始める前に確認すべきポイントを紹介します。

建築基準法や地域の規制を確認

床下断熱リフォームは比較的小規模な工事ですが、建物の規模や工事内容によっては建築確認申請が必要になる場合もあります。
また、景観地区や文化財指定を受けている地域では、工事に制限がかかることがあるため、念のため事前に確認すると安心です。

床下の構造材の劣化状態をチェック

床下の木材（土台や柱など）が腐っていないか、断熱材を取り付けるのに支障はないかを事前に確認する必要があります。
古民家では、湿気による木材の腐朽やシロアリ被害が進んでいるケースも少なくありません。
こうした確認は専門的な知識が必要なため、専門業者へ床下調査を依頼するのがよいでしょう。
劣化が見つかった場合は、断熱工事の前に補修や補強が必要になる場合もあります。
構造的な問題を見逃すと、断熱効果が得られないだけでなく、建物の安全性にも影響するので事前のチェックはかかせません。

シロアリ被害の確認と予防処理

床下断熱工事は、普段なかなか見ることができない床下全体を確認できる貴重な機会です。
業者にシロアリの被害（木材の食害や、土で作られた蟻道など）がないかを、確認してもらいましょう。
築30年以上の住宅では、過去に施した防蟻処理の効果が切れている可能性も高いです。
シロアリ被害は建物の耐久性を低下させるため、断熱工事とあわせて対策をすることで、シロアリ被害への心配はなくなります。

実績豊富で信頼できる業者選び

床下断熱リフォームを依頼する際には、実績が豊富な業者を選びましょう。
信頼できる業者は、必ず事前に床下の調査を行い、工事内容についてわかりやすく説明してくれます。
見積もりの内訳が明確で、アフターフォローや保証内容が充実していることも重要です。
安すぎる見積もりや、調査もせずに工事をしようとする業者には注意しなければなりません。
不安なときは複数の業者で相見積もりをして比較するのがよいでしょう。

古民家の寒さ対策は床下断熱リフォームから｜お気軽にご相談ください

古民家の寒さに悩んでいるなら、まずは床下断熱リフォームから始めるのがおすすめです。
住みながら工事ができ、費用対効果も高く、なにより底冷えという古民家特有の悩みをやわらげられます。
工事を検討する際には、実績豊富な専門業者に床下の調査と見積もりを依頼しましょう。
床下断熱リフォームによって、快適な古民家ライフへ近づけるはずです。

アサンテでは、床下の調査やお見積もりを無料でお受けしています。まずはお気軽にご相談ください。