ネズミが嫌いな音を出すデバイスやアプリは、ネズミを“殺す”のではなく、ネズミを“追い出す”ことを目的にしています。

音を利用してネズミにストレスを与え、建物の中をネズミにとって不快な環境にして追い出す仕組みです。

ネズミを追い払うという意味では「音で駆除できる」と言えますが、音が直接の原因となってネズミが死ぬことはほとんどありませんので、その点に留意してください。

ネズミは超音波が嫌いって本当？

ネズミは聴覚が発達しており、人間には聞き取りにくい20Ｈｚを超える音、いわゆる「超音波」を感知できます。

超音波を利用したネズミ駆除のデバイスが市販されていますが、ネズミは超音波であればなんでも嫌いというわけではありません。

ネズミにストレスを与える周波数帯があり、その周波数帯を外れていると効果がありません。

また、人間が騒音に慣れるのと同様に、ネズミも超音波に慣れてしまうことがあります。そうなると超音波を流しても効果がなくなってしまうので注意が必要です。

超音波以外にネズミが嫌いな音はある？

超音波以外にもネズミが嫌いな音は存在します。

例えば突然鳴る大きな音。食器が落ちて割れた音などに驚いて、心臓がバクバクした経験は誰しもあると思いますが、ネズミもこのような大きな音にストレスを感じます。

大きな音が不定期になるような環境は、ネズミにとってストレスフルな環境です。

ただし、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミは、生活音がする家や、雑音が鳴り続ける繫華街で生息しているため、突然鳴る音に耐性がある個体が多いとも言われています。

また、ネズミの捕食者（天敵）の鳴き声も、本能的にその場所を避ける効果が期待できます。

しかしこれも、天敵の姿はないのに音だけが鳴り続ける環境では、やがて耐性ができてしまうようです。

ホームセンターや通信販売で、音を利用したネズミ駆除用のデバイスを購入して設置すれば、自分でも音を使った対策ができます。

最近では、タブレットやスマートフォンからネズミが嫌いな音を流すことができるアプリもあるようです。

ただし、建物の構造、ネズミの種類、個体差などの条件によって、効果が持続する範囲や期間が変わってきます。

効果がなさそうなら、配置を変えたり、デバイスそのものを変更したりする必要があります。

また、ネズミに耐性がつくのを防ぐために、音の種類や周波数を頻繁に変える必要があります。

音を使ったネズミ駆除を請け負ってくれる業者もありますので、自分で設置するのが不安なときは一度相談してみるのもよいでしょう。

音でネズミ駆除をするメリットは？

音でネズミ駆除をするメリットはなんでしょうか。

ひとつは、日常生活に大きな影響を与えることなくネズミ対策ができることです。特に超音波は、人間にはほとんど聞こえないため、普段と変わりなく過ごしながらネズミ対策ができます。

また、他のネズミ対策グッズと比べて、ペットや小さなお子さんがいる家庭でも安心して使用できます。殺鼠剤の誤飲や粘着シートに誤って貼りつくなどのリスクがないので、手軽に導入できます。

また、毒餌などと異なり、ネズミの死骸を処分する必要がありません。心理的な負荷や衛生面を気にしなくていいのもメリットと言えるでしょう。

音でネズミ駆除をするデメリットは？

過度に音量を上げると、騒音トラブルに発展する可能性があります。集合住宅や住宅街では特に注意しましょう。

また、若年層や聴覚が敏感な人には超音波が聞こえてしまうことがあり、パニックや不快感を引き起こす可能性があります。

ネズミが音に慣れると効果が薄れるため、高価なデバイスを購入しても無駄になることがあります。

さらに、ネズミを殺したり捕獲したりするわけではないので、追い出しに失敗するとネズミは建物の中でどんどん繁殖していきます。デバイスの効果を様子見しているあいだにネズミが増え、駆除がより困難になる可能性があります。

前述の通り、ネズミが嫌いな音を使った対策は、あくまで“追い出し”です。音だけでネズミを殺すことは難しく、ネズミの数を確実に減らす方法ではありません。

そのため、多くのネズミ駆除業者では、音以外の駆除方法を採用しています。侵入経路をふさぎ、トラップや毒餌でネズミの数を減らす方法が主流です。

ぜひ、音以外の対策も検討してみてください。

ネズミの駆除方法については、こちらで詳しく紹介しています。

ネズミ駆除はDIY？それとも業者？最適な方法を徹底解説！

https://www.asante.co.jp/vermin/column/v08.html