ホーム > 害虫・害獣・鳥類対策 > トコジラミ > トコジラミ対策って何をすればいいの?
トコジラミ対策って
何をすればいいの?
近年、ニュースでも度々取り上げられているトコジラミ。
刺されるとひどいかゆみに襲われ、駆除に手間がかかることから問題視されている害虫です。
トコジラミ被害を最小限に抑えるためにはいったいどんな対策を取ればいいのでしょうか。
目次
【対策の前に】知っておくべきトコジラミの生態
的確なトコジラミ対策を実施するために、まずはトコジラミがどんな生態を持つ虫なのか把握しましょう。
■シラミではなくカメムシの仲間
トコジラミはカメムシの仲間で、シラミとは異なる生態を持ちます。シラミ対策をしてもトコジラミに効果はありません。
■人や物に付着して移動する
トコジラミは基本的に人や物に付着して移動します。一般家庭における発生原因の大半が、付着したトコジラミに気づかず自宅に持ち込んでしまうことです。
■清潔な部屋でも繁殖する
トコジラミは血液さえあれば繁殖するため、部屋の清潔・不潔はあまり関係がありません。高級ホテルなどの清潔な部屋でも繁殖します。
■昼は隠れ、夜に活動する
トコジラミは、明るい時間帯は暗くて狭い隙間に隠れ、暗くなると隙間から出てきて血を吸います。ただし、飢餓状態になると明るくても活動することがあります。
■糞や抜け殻などの痕跡が残る
トコジラミが繁殖している場所では、糞や抜け殻など、目に見える痕跡が残ります。特に糞は、黒褐色の丸い跡が残るので非常に分かりやすいです。
黒い点はすべてトコジラミの糞。このような痕跡を見つけたらトコジラミが繁殖している可能性が高い。
■繁殖力が強い
トコジラミのメスは1日3~6個のペースで卵を産み、生涯で数百個の卵を産みます。放っておくと短期間で増殖します。
■冬になっても死なない
トコジラミは気温が下がる冬を休眠状態ですごし、春になるとまた活動し始めます。冬になって刺されなくなった=いなくなったと思い込むのは危険です。
なお、常に気温が高い場所では、冬でも活動し続けることがあります。
■つるつるした面は登れない
トコジラミは垂直な面でも登ることができますが、これは木・布・凹凸のある壁紙などの場合で、ガラスやプラスチックなどのつるつるした素材の面を登ることはできません。
■ピレスロイドに抵抗性がある場合も
殺虫成分「ピレスロイド」が効かない「スーパートコジラミ」が増えています。ピレスロイドは多くの市販の殺虫剤に使用されている成分です。
蚊やダニに刺されたと思ってピレスロイドが主成分の殺虫剤を使用しても、スーパートコジラミには効果がありません。
トコジラミ対策に殺虫剤を使いたい場合は、メトキサジアゾンやプロポクスルなど、ピレスロイド以外の有用成分が入っているものを選んでください。
■高温・冷却処理で駆除できる
トコジラミも虫なので、高温・冷却処理で死にます。業者は専用の機材を使いますが、ご家庭ではアイロンや殺虫用の冷却スプレーなどで代用できます。
詳しくはこちらをご覧ください。
トコジラミ対策の基本は「持ち込みリスクを下げる」
前述のとおり、トコジラミの発生原因の大半は、付着したトコジラミに気づかず自宅に持ち込んでしまうことです。
極端なことを言えば、外出を一切せず、物を買ったりレンタルしたりしなければ、トコジラミの持ち込みリスクはほぼゼロです。しかしそんな生活を送ることはとても現実的ではありません。
トコジラミを過剰に気にして無理な生活を送るのではなく、トコジラミを自宅に持ち込むリスクを少しでも下げることが大切です。
トコジラミの「持ち込みリスク」を下げる方法は?
トコジラミの持ち込みリスクを下げるにはどうすればいいでしょうか。具体的な方法をご紹介します。
■トコジラミが繁殖しやすい施設の利用を控える
ホテル、旅館、民泊、インターネットカフェ、仮眠室、大浴場の休憩スペースなど、不特定多数が利用する、休息が取れる施設はトコジラミが繁殖しやすい場所です。こうした施設の利用を控えるのは最も効果的な手段と言えます。
■施設のクチコミ・レビューをチェックする
トコジラミが繁殖しやすい施設を利用したい場合は、事前にクチコミ・レビューを確認し、利用するかどうかの判断材料にします。トコジラミの被害報告が多い施設や、トコジラミが出た際の対応がずさんと書かれている施設はなるべく避けましょう。
■トコジラミの痕跡がないかチェックする
いざこうした施設を利用する際は、糞や抜け殻などのトコジラミの痕跡が周辺にないか確認してから利用します。もし痕跡を発見したらすぐに退室し、必ず施設の管理者に報告しましょう。
■トコジラミを付着させない
つるつるした素材を登れないトコジラミの特性をふまえて、かばんごとビニール袋に入れたり、金属製のバゲージラックに乗せたりすることで、荷物にトコジラミが付着しないよう工夫します。
■明るいままにする
照明をつけたまま(明るいまま)にすることで、夜行性のトコジラミの活動を多少抑制できます。ただし、トコジラミが飢餓状態だと効果がないため、気休め程度の対策と考えてください。
■帰宅後はトコジラミが付着している前提で後片付け
トコジラミが繁殖しやすい施設を利用したあとは、トコジラミが衣服や荷物に付着している前提で後片付けをします。
付着しているトコジラミが部屋の中に逃げ出さないよう、荷ほどきは浴槽や大きなビニール袋の中で行なってください。
洗濯できるものはすぐに洗って乾燥機で高温乾燥します。洗濯できないものはアイロンや殺虫用の冷却スプレーをかけるか、粘着クリーナーで全体をまんべんなく掃除してください。
忘れがちなのが靴です。衣服と同様に、洗って乾燥機にかけます。革靴など洗えない素材の靴は、高熱・冷却・殺虫剤の中から素材を傷めない方法を選んで対応しましょう。
洗濯や高温乾燥ができないものは殺虫用の冷却スプレーや粘着クリーナーを使って処理する。
■中古品やレンタル品の利用を避ける
中古品やレンタルの家具・家財は、トコジラミが発生していた家で使われていた可能性があります。そのため、できるだけ利用を避けることをおすすめします。
どうしても使用する場合は、室内に持ち込む前にトコジラミが付着していないか目視で確認してください。必要に応じて、高温処理・冷却処理・殺虫剤などでしっかり対策を行なってから使用しましょう。
■人の出入りを減らす
自分がしっかり対策していても、自宅に人の出入りが多いとトコジラミが持ち込まれる可能性が高くなります。特に、出張や旅行、外泊が多い人はリスクが高いため、できるだけ自宅ではなく外で会うようにしましょう。
持ち込みリスクを下げられない場合はどうすればいい?
事情があってトコジラミの持ち込みリスクを下げられない場合はどうすればよいのでしょうか。
まず重要なのは、万が一トコジラミを自宅に持ち込んでしまってもすぐに発見できる体制を整えておくことです。
さらに、こまめな清掃によって持ち込まれたトコジラミを初期段階で排除し、被害を最小限に抑えましょう。
■物を減らす
物が少ないほど、トコジラミが隠れられる場所が減り、見つけやすくなります。特に寝室はトコジラミが繁殖しやすいので、家具家財は必要最低限にとどめましょう。
■家具家財を壁から離す
家具家財は壁から離して設置することで、トコジラミの隠れられる場所を減らします。ベッドや布団も壁から離しましょう。
さらに、カレンダーや時計、絵画、ポスターなど、壁に密着して飾るものは隠れ場所になりやすいため外します。
■淡色の寝具を使う
トコジラミの成虫は濃い茶色をしているため、寝具やカバー類を白や淡い色にすると見つけやすくなります。
■定期的な点検
部屋の中を定期的に確認し、トコジラミの糞や抜け殻がないかチェックします。トコジラミが多く潜んでいる場所は、糞で黒く汚れるため見つけやすいです。特に寝具とその周辺は重点的に確認しましょう。
家具の裏面、電化製品の内部、部屋の四隅、壁紙の継ぎ目、カーテン、窓枠、鴨居、長押、巾木、コンセントの差し込み口など、暗くて狭い隙間がある場所はすべて点検します。
■モニタリング
点検にあまり時間を割けない場合、害虫用の粘着トラップを設置してモニタリングする方法もあります。寝具の周辺に設置して、トコジラミが捕獲されていないか確認してください。
カーペット用の両面テープを、寝具の周辺を囲うように貼る手法もあります。
モニタリングのために貼られた両面テープ(カーペット用)と、捕まったトコジラミ。寝具や家具などの周りを一周するように貼るのがおすすめ。
■こまめな洗濯・清掃
寝具はこまめに洗濯し、衣類乾燥機にかけて高温で乾燥させます。
マットレスやベッドフレームなど洗濯できないものは、スチームクリーナーで熱処理しましょう。これで万が一トコジラミが付着していても駆除できます。
フローリングの隙間や畳にトコジラミが潜んでいることもあるので、掃除機はこまめにかけます。
こうした対策を日常的に行なうことで、万が一トコジラミを持ちこんでしまっても被害の拡大を防ぐことができます。
トコジラミが発生したらどう対策する?
いざ自宅でトコジラミが発生したら、どう対策すればよいのでしょうか。
まず、トコジラミがいると分かった時点で、業者による駆除も視野に入れて早急に対応することが重要です。
放置すると短期間で急速に増えるため、早めの対策で被害を最小限に抑えましょう。
自分で駆除することも可能ですが、確実かつ短期間で解決したい場合は、専門の駆除業者に依頼するのがおすすめです。
トコジラミの駆除方法や業者の選び方について、詳しくはこちらをご覧ください。
■まとめ
トコジラミ対策の基本は「持ち込みリスクを下げること」です。まずはこの点を意識して、適切な対策を取りましょう。
もし持ち込みリスクを下げるのが難しい環境なら、「早期発見できる体制」を整えることが重要です。
そして、万が一トコジラミが発生した場合は、できるだけ早く専門業者に相談してください。








